hogehoge, world.

米国カリフォルニアのソフトウェアエンジニアがIT・自転車・音楽・天体写真・語学などについて書く予定。

Neural Compute Stick 2でリアルタイムオブジェクト検出 (3) ~ ドローンのFPVカメラ接続

前回MobileNet SSDという高速オブジェクト検出モデルの使い方がわかったので、これにドローンのFPVカメラ画像を食わせてみよう。結論を先に言うと、こんな↓感じでリアルタイムオブジェクト検出が実現できた。

youtu.be

この動画は機材の関係でNCS2を使わずCPUで計算したもので、またプログラム的な手抜きにより本来出せるフレームレートよりも落ちているので、ちゃんとやればもっと速くなるはずである。

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Neural Compute Stick 2でリアルタイムオブジェクト検出 (2) ~ インストールとサンプル実行

前回の続きでNCS2の話。今回インストールからサンプル実行のあたりまでレポ。サンプルは顔検出、YOLOv3、MobileNet SSDなど試してみたがどれも非常におもしろい!最終的にドローンで使うには特に高速なMobileNet SSDを採用。

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日本語のら行の音はなぜLではなくRに当てられるのか

「日本語のら行の音はなぜ英語では似ても似つかない r に当てられるのか、L の方がまだ近いんじゃないか」という疑問を持ったことのある人は少なくないと思うのだが、自分的に一番説得力のある答はこれ:

日本語の「ら行」子音は R か L か?

自分が学んだことのある言語の中では日本語・スペイン語・ロシア語・トルコ語などが r = 舌で歯茎を蹴る流派で、やはり英語の r は特異。

昔は Ryusuke さんとか Horiuchi さんとか発音しにくい場所に r の入った名前を英語の r で一生懸命発音しようとしてたけど、こういう見地に立ってからは敢えて弾き音で発音することも多くなった。カリフォルニアならスペイン語やアジア・インド圏の訛りで巷に溢れかえっている音だし、相手の母国語がもともと同じ流派であることもしょっちゅうなので、それでオリジナルに近い音で覚えてもらえることも多い。

ちなみにこの記事を書いたのが言語学者でも何でもなく物理学の先生というのがまたおもしろい。

量子コンピューティングについて

シニアエンジニアは将来の技術に目を向けておかねばならん、というわけで量子コンピューティングについて少々真面目に勉強してみた。「量子コンピューターが実用化されると素因数分解が高速でできてしまい、RSA暗号が無力化される」といった噂は本当なのか?

ネタは 量子コンピュータ Advent Calendar 2017 - Qiita と、王道の IBM Q Experience で。*1

私が改めて解説しても巷にある解説の劣化版にしかならないので、今後学ぶ人の参考になりそうな所感を中心に。実際に勉強を進めようと思ったら、上の Advent Calendar を取っ掛かりにあちこち読み漁り、異なる文書に繰り返し登場する && 自分のアンテナに引っかかるところを重要ポイントとして深めていけばいいと思う。人によって(前提知識やゴールによって)適切な勉強パスは異なるだろうから、必読リンク集みたいのを作るのもなかなか難しい。気が向いたらそのうちやるかもしれない。

*1:なお、ここでは量子コンピューターとしてIBM Qのような伝統的な量子ゲート方式のものだけに着目する。量子アニーリングなど別のモデルも注目を集めているようだがout of scopeとする。

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アメリカ英語の発音ノウハウ (6) ~ 元ネタ本のダウンロード販売

以前書いた記事 アメリカ英語の発音ノウハウ の元ネタ本である The Sound & Style of American English (by David Alan Stern)ですが、著者のサイトでダウンロード販売しているよと親切な方にコメントいただきました。

learnaccent.com

現時点で$29.95、自分では試していませんがPDFとmp3がダウンロードできるのではないかと思います。ちゃんと勉強してみたい人はぜひ。

IDAS LPS-D2だと…?

来月からアメリカに戻ることになったので、日本にいるうちにIDASの LPS-D1 (天体写真用の光害カットフィルター)を買っておかなきゃと思ったら、なんと LPS-D2 という白色LED対応の新製品が出ているではないか!うーむ、どうしよう。

実写で露出時間や色合いを比較したレポートが欲しいのだが、そういう記事はまだないみたいで、データシートに基づく比較記事を書いた人が一人見つかっただけだった。

d.hatena.ne.jp

私の大雑把な理解によれば、LPS-D2のLPS-D1に対するメリットは

(1) 白色LEDの波長をカットしてくれる

で、デメリットは

(2) 水銀灯の波長をLPS-D1より通す

(3) カットする波長の範囲がLPS-D1より広い(特に黄~オレンジ)のでカラーバランスが崩れたり露出時間が長引いたりするかもしれない

といったところ。(3)が実際のところどんな感じだか知りたいので実写レポートがあるとありがたかったのだが…。

新しいものに挑戦するならやっぱりLPS-D2なんだろうなあ。LPS-D1は今まで通り LPS-P2HEUIB-II を重ねて代用できるからなあ*1。でもアメリカだとLED街灯はまだ日本ほど多くないんじゃね?という気もするし、なかなか決め手に欠けるのである。困った。

*1:ただ明るい被写体だと内部反射でゴーストが出るので一枚にはしたいのです。