hogehoge, world.

米国カリフォルニアのソフトウェアエンジニアがIT・自転車・音楽・天体写真・語学などについて書く予定。

Particle Mesh: Early Adopterはつらいよ (1) ~ イントロ

Particle Meshが先月到着し一ヶ月ほど触ってみたのでレポしてみる。Mesh+WiFiを備えたArgonを3台と、Meshのみ対応のXenonを2台、数ヶ月前にプレオーダーしていたものである。

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こいつが何者かはHirotakaster先輩の記事に詳しいのでそちらを参照してもらうとして、筆者個人の注目ポイントや体験について書いていくことにする。

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Neural Compute Stick 2でリアルタイムオブジェクト検出 (4) ~ Raspberry Piで使う

NCS2購入当時はSDKIntel x64にしか対応していなかったため、前回まではIntel PC上でのテストの話をしてきた。しかし最近Raspberry Pi対応のSDKがリリースされたので追加で試してみることにした。

NCS2をRPiに挿すとこんな感じになる。USBポートに直接挿すと他のポートを全部塞いでしまうので、筆者はこういうL字型アダプタを使ってみた。

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結論から言うと、Intel PCの2/3程度のパフォーマンスになるがちゃんと動く。パフォーマンスが落ちるのはUSBまわりのI/Oの遅さ故だろうか。ただこれでもMobileNet SSDが20FPSで動くわけで、大したものである。

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Neural Compute Stick 2でリアルタイムオブジェクト検出 (3) ~ ドローンのFPVカメラ接続

前回MobileNet SSDという高速オブジェクト検出モデルの使い方がわかったので、これにドローンのFPVカメラ画像を食わせてみよう。結論を先に言うと、こんな↓感じでリアルタイムオブジェクト検出が実現できた。

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この動画は機材の関係でNCS2を使わずCPUで計算したもので、またプログラム的な手抜きにより本来出せるフレームレートよりも落ちているので、ちゃんとやればもっと速くなるはずである。

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Neural Compute Stick 2でリアルタイムオブジェクト検出 (2) ~ インストールとサンプル実行

前回の続きでNCS2の話。今回インストールからサンプル実行のあたりまでレポ。サンプルは顔検出、YOLOv3、MobileNet SSDなど試してみたがどれも非常におもしろい!最終的にドローンで使うには特に高速なMobileNet SSDを採用。

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Neural Compute Stick 2でリアルタイムオブジェクト検出 (1) ~ イントロ

USBに挿すニューラルネットワークアクセラレータの新製品 Intel® Neural Compute Stick 2 (NCS2)が先月リリースされた。勉強と人柱を兼ねて購入してみたのでレポートを書いてみる。

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日本語のら行の音はなぜLではなくRに当てられるのか

「日本語のら行の音はなぜ英語では似ても似つかない r に当てられるのか、L の方がまだ近いんじゃないか」という疑問を持ったことのある人は少なくないと思うのだが、自分的に一番説得力のある答はこれ:

日本語の「ら行」子音は R か L か?

自分が学んだことのある言語の中では日本語・スペイン語・ロシア語・トルコ語などが r = 舌で歯茎を蹴る流派で、やはり英語の r は特異。

昔は Ryusuke さんとか Horiuchi さんとか発音しにくい場所に r の入った名前を英語の r で一生懸命発音しようとしてたけど、こういう見地に立ってからは敢えて弾き音で発音することも多くなった。カリフォルニアならスペイン語やアジア・インド圏の訛りで巷に溢れかえっている音だし、相手の母国語がもともと同じ流派であることもしょっちゅうなので、それでオリジナルに近い音で覚えてもらえることも多い。

ちなみにこの記事を書いたのが言語学者でも何でもなく物理学の先生というのがまたおもしろい。

量子コンピューティングについて

シニアエンジニアは将来の技術に目を向けておかねばならん、というわけで量子コンピューティングについて少々真面目に勉強してみた。「量子コンピューターが実用化されると素因数分解が高速でできてしまい、RSA暗号が無力化される」といった噂は本当なのか?

ネタは 量子コンピュータ Advent Calendar 2017 - Qiita と、王道の IBM Q Experience で。*1

私が改めて解説しても巷にある解説の劣化版にしかならないので、今後学ぶ人の参考になりそうな所感を中心に。実際に勉強を進めようと思ったら、上の Advent Calendar を取っ掛かりにあちこち読み漁り、異なる文書に繰り返し登場する && 自分のアンテナに引っかかるところを重要ポイントとして深めていけばいいと思う。人によって(前提知識やゴールによって)適切な勉強パスは異なるだろうから、必読リンク集みたいのを作るのもなかなか難しい。気が向いたらそのうちやるかもしれない。

*1:なお、ここでは量子コンピューターとしてIBM Qのような伝統的な量子ゲート方式のものだけに着目する。量子アニーリングなど別のモデルも注目を集めているようだがout of scopeとする。

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