hogehoge, world.

米国カリフォルニアのソフトウェアエンジニアがIT・自転車・音楽・天体写真・語学などについて書く予定。

「タンゴの真実」(小松亮太著) 音源・動画インデクス

最近「タンゴの真実」という本が発売された。バンドネオン奏者小松亮太氏による、タンゴという音楽の歴史その他諸々の解説書である。専門性はかなり高く、音楽オタクにはけっこう楽しめると思う。

タンゴの真実

チャラン・ポ・ランタンアコーディオン小春氏の動画「蛇腹談義」に小松良太氏が出演していた回があまりにもおもしろくて発売直後に買ってしまった。

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この本、参考音源(Spotify)や動画(YouTube)へのリンクがQRコードで印刷されているのだが、これがかなり使いにくい。なぜなら:

  • スマフォでQRコードをスキャンしてプレイリストを開く操作や、本の中で言及されている曲をプレイリストから探す操作がかなり手間で、本を読む流れを中断してしまう。
  • Spotify無料版はスマフォからでは制限が多くて使い物にならない。PCからだとまだ使える。
  • プレイリストから本への逆引きができない。つまり、プレイリスト上の曲を聴いてその位置づけや解説(「この音源/動画は何を説明するためにあるんだっけ?」)を見に行くことができない。

この問題を解決するため、プレイリストへのリンクと、各音源や動画が本のどの箇所から参照されているかのインデクスを作ってみた。これをPCで開き、本を読みながらプレイリストをぽちぽちすることで、快適に本書を読み進めることができる。

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M5Atom Matrixでボールころころ

M5Atom Matrixを買ってすぐの習作として作った「ボールころころするやつ」の解説をしてみる。加速度センサーの値を使って物体の加減速や跳ね返りのシミュレーションを行なう簡単なコードなので、プログラミング学び始めの人の資料にでもなればと思う。初期化と表示処理がM5Atom固有なので、そこだけ修正すればM5StickC等他のモデルで動くものに改造できるだろう。

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Processingの3DCGにおけるライティングの扱い方

Processing の3Dグラフィックスにおけるライティング(光源や反射)の扱い方が自分の知ってるモデルとちょっと異なり、調査が必要になったのでメモ。デフォルメで不正確になっているところがあるかもしれないがご容赦。

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「ドッグ・ファイター」(超時空要塞マクロス挿入曲)の弾き方

80年代に超時空要塞マクロスを見ていた(当時の)子供であればこの曲は覚えがあるだろう。羽田健太郎先生の「ドッグ・ファイター」である。この曲のギターのメロディーを10年ほど前に弾けるように練習したのだが、以後曲に対する理解も変化したので、この度改めて採譜しなおし、バッキングトラックも最新の音源で自作し、チュートリアル的な動画に仕立てて公開してみた。

【弾いてみた】ドッグ・ファイター / 超時空要塞マクロス (ギタータブ譜 & 練習用トラック)【君も弾ける】 - YouTube

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私は当初この曲はロック的に解釈してかっちりリズムで弾いていた。しかしその後他の人の演奏を聴いたり曲について調べたりしているうちに、リズムや節回しに独特の揺れがあることがわかった。それもそのはず、オリジナルの演奏はロッカーではなくジャズギタリストで、今も現役で活動されている直居隆雄氏という方だそう。そういう背景を尊重すると、解釈や弾き方も若干変わってくる。 

本記事ではこの「思いのほか奥の深い」ギターパートの弾き方について少し解説を加えてみることにする。まぁ本来こういうのは「見て・聴いて好きなように弾いてください」でよくて、細かい解説は正直野暮で私の趣味ではないのだが、これで上の動画のチュートリアルとしての有用性が上がるのであればやってみる価値はあるかと思う。

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HM3301で山火事ベイエリアのPM2.5濃度を測る

現在カリフォルニアは史上最大規模と言われる山火事の最中である。うちの近所はこんな様子↓で、二週間程燃え続けてやっと70%鎮火と、だいぶ収まってきた感じではある。

f:id:tomoto335:20200902074349p:plainhttps://www.fire.ca.gov/

ところがその結果大気汚染がひどいこと↓になっている。これでも先週よりは少しはましになりつつあるのだが、健康に影響が出る(Unhealthy)と呼ばれるレベルである。 

f:id:tomoto335:20200902075059p:plainhttps://www.purpleair.com/

このような状況だと、コロナ対策で外気を吸う機会は少ないにしても、窓を開けて換気をすべきかどうか(ちなみに私はエアコンのない家に住んでいる)とか、室内でもマスクをすべきかどうかとか、いろいろ判断に困る。そもそも窓を閉めた状態で汚染はどの程度室内に入り込むのかも、まったく知らないのである。

また、この汚染度の数字は日や時刻によって大きく変わる。あるとき真っ赤だったのが夜になると急に緑になることもある。適切な判断をするにはリアルタイムにデータを知りたいという気もする。

というわけで、センサーを入手してポータブル大気汚染度測定器を仕立て、これらの疑問に答えられるようになってみよう、というのが今回のお題である。下の写真はM5StickCとM5Atomを使って作った完成品と、そのデモビデオである。

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https://youtu.be/89IInh19yVU

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日本人が「在宅勤務は生産性ダウン」と感じる理由

こんな記事が出てきたが、まあそりゃそうだろう。

www.itmedia.co.jp

日本はハイコンテキスト文化で、仕事の設計も(デフォルトでは)それ前提になっているのだから。ハイコンテキスト・ローコンテキストの違いは下の記事でよく説明されている。

E.T.Hall – High Context Communication vs. Low Context Communication | Notes on Intercultural Communication

https://laofutze.files.wordpress.com/2009/07/high-context-low-context-schema.gif?w=641&h=463

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ベイエリアのNEOWISE彗星観測情報

夕方にNEOWISE彗星が見える時期になったそうだ。彗星は2013年のPanSTARRS、2015年のLovejoy以来なのでちょっと見てみたいのだが、ここに引っ越してきてから星を見たり撮ったりすることはなかったので、何時頃暗くなるのか・そのときの彗星の高度はどのくらいか・障害物の具合はどんなものかも皆目わからず、アタリを付けようと双眼鏡持って下見に出てみた。

案の定今日は目で確認することはできなかったが、「目当ての天体が見つからないときはとにかく雑に撮ってみろ、カメラが代わりに見てくれるから」の格言(私が作った)に従い、スマフォで無造作に撮ってみたところ、おお、障害物ギリギリに辛うじて写っていた。これで場所が確定できた。

この写真と情報サイトの図 https://skyandtelescope.org/astronomy-news/comet-neowise-delights-at-dawn/ を合わせると、今後一週間の予測位置はこんな感じ。観測時刻は9:30pmでOK(ちなみに日没が8:30pm頃なのでその一時間後)、18日には目印の星(北斗七星の柄杓を延長した先にあるおおぐま座κとιの並び)のすぐ近くに来るので見つけるのも簡単だろう。 

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追記: 7/18 9:30pm PDT時点でのショット。まあまあか。

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