hogehoge, world.

米国カリフォルニアのソフトウェアエンジニアがIT・自転車・音楽・天体写真・語学などについて書く予定。

小型月着陸実証機SLIMの着陸場所: SHIOLIクレーター

JAXAの小型月着陸実証機SLIMが月面に着陸した。奇しくもその6時間ほど前に月を撮影していたので、着陸場所を調べてみたところ、それらしいものが写っていた。 SLIM着陸約6時間前の月とSHIOLIクレーターの場所 着陸場所は「神酒(みき)の海」の近く、白く明る…

AS7341による光のスペクトル(波長分布)測定と光害分析

AS7341という光のスペクトル(波長分布)を計測できるお安いセンサーがあることに最近気が付いた。 ams.com これは光の強さを波長の範囲(バンド)ごとに分けて測定できるセンサーである。データシートの下記の図がわかりやすく、可視光域をカバーする8チャネル(…

SpyderX Proでモニターのキャリブレーション

天体写真の色合いの調整などをやる以上、モニターが正しく色を表示しているのか?というのはまぁ気になるといえばなる。実際2台のモニターで色合いが若干違っていて、どちらを信じればいいのかはわからないのだ。 ここで「正しい」というのはどういうことか…

へっぽこ天体写真のアップグレード (その3)

その2の続き。最後はモノクロ撮影機材のお話である。 へっぽこにとってのモノクロ撮影の魅力 ここで言うモノクロ撮影とは、モノクロカメラで異なる波長(色)の光を別々に撮影し、後で合成してカラー画像にする撮影方法のことである。筆者は「そんな手間のかか…

へっぽこ天体写真のアップグレード (その2)

その1の続き。今回はマウント、レンズ、フィルターまで。 マウント: Orion SkyView Pro から SkyWatcher HEQ5 Pro へ 「へっぽこ天体写真のススメ」で筆者は軽量マウント Orion SkyView Pro (SkyWatcher EQ5 Pro 相当; 以下便宜上EQ5と呼ぶ)を紹介し、へっぽ…

へっぽこ天体写真のアップグレード (その1)

昨年は天体写真機材をいろいろアップグレードした年であった。とは言え、へっぽこを卒業してガチになろうというわけではない。「今使っている技術はもはや10年遅れであり、新しい技術に乗り換えるだけで楽にいい絵が撮れるようになるのではないか?」と考え…

QHYCCDのカスタマーサポート

今年1月に買ったQHYCCDの冷却CMOSカメラ QHY268C のUSBポートが不安定になってしまったので、メーカーサポートを依頼した。保証期間は2年なので、無償修理が受けられる可能性がある。筆者がメーカーサポートに頼るのは珍しい(多くの場合時間の無駄なのでDIY…

とことんエナガ、シマエナガ (BIRDER編集部)

日本から取り寄せたこの本が思いのほか濃くてよかった。昔のウルトラ怪獣大図鑑を彷彿とさせるエナガ構造図、なぜエナガはもふもふなのか羽毛の構造からの考察、「役割を終えた67巣の羽毛を数えたところ460~2900枚の幅があった」といった地道な努力に根差す…

初めて買う天体望遠鏡のおすすめ

アメリカでこれから天体望遠鏡を買いたいという人に何をおすすめしたらよいか。"telescope for beginners" でググってよさそうな記事を探してみたところ、これが筆者の考えに近い。この記事の推しは8インチドブソニアンである。 astrobackyard.com

Kindleで読める(竹田青嗣・西研の)現象学の本

エトムント・フッサールの現象学とは、近代哲学の一分野で、人間が普段「世界とはこういうもの」とあたりまえに思っている確信がどう成立するのかを解明し、信念対立の克服や共通認識の確立を目指す学問あるいは方法論である。筆者が以前書いたこんな記事(「…

へっぽこ天体写真の鏡筒(その2)

前回の続きでへっぽこの使う鏡筒を紹介するよ。 Borg 36ED 口径36mm・焦点距離200mの超小型望遠鏡である。x1.1専用フラットナーと合わせた時の解像度は素晴らしく、視野が広いのにもかかわらずいかにも望遠鏡らしい像が撮れる。構造がめちゃくちゃ簡単で軽く…

へっぽこ天体写真の鏡筒(その1)

前回紹介しきれなかったものを含めて、へっぽこが天体写真撮影に使っている鏡筒を紹介しよう。 Orion ED80 (口径80mm・焦点距離600mm・屈折) Orion SkyView Pro 8 OTA (口径8インチ・焦点距離1000mm・ニュートン式反射) Borg 36ED (口径36mm・焦点距離200mm…

へっぽこ天体写真のススメ

筆者はへっぽこ天体写真を撮る。ここで「へっぽこ」というのは、ずぼら、あるいはインドア的な性癖ゆえ、天体写真が通常目指すところからズレた(と見做されそうな)方向に向かって努力する姿勢や価値観を指す。例えば下記のような価値観に共感できるなら、あ…

トンガの火山噴火による気圧変化(続き)

前回に続いて気圧変化を観察していると、また急激な変化がちょいちょい現れている。また噴火したのかと思ったら、どうやら地球が丸いかららしい。 前回示したのは最短距離で最初に到達した波(1)だが、その次に地球の反対側を回ってやってくる波(2)があったよ…

トンガの火山噴火による気圧変化

トンガで大きな火山噴火があったが、うちの気圧ログにもその影響が記録されていた。横軸はUTC時刻、縦軸の単位はhPaである。 下記ツイートによると、噴火時刻が15日4時(UTC)、衝撃波の速度が1100km/hとのこと。現場からカリフォルニアまで約8500kmなので、8…

「激怒した開発者によるcolors.js/faker.jsの意図的な破壊」に関する所感

こんな↓ニュースを目にして何が起こっているのかをざっとさらってみたのだが、うーむ、同情の余地はあれど、これに thumbs up や無邪気な擁護が付くのはちょっと理解できない。 gigazine.net 別にMarak氏やその擁護者を叩きたいわけでもなく(私が何か言うま…

皆既月食とさそり座

5/26の皆既月食は日本ではだいぶ条件が悪かったようだが、ここベイエリアでは西の空低くしっかり見ることができた。 今回の皆既月食は時間が4amということもありパスしようと思っていたのだが、位置を調べてみるとさそり座の頭の付近だったので、これは絵に…

「タンゴの真実」(小松亮太著) 音源・動画インデクス

最近「タンゴの真実」という本が発売された。バンドネオン奏者小松亮太氏による、タンゴという音楽の歴史その他諸々の解説書である。専門性はかなり高く、音楽オタクにはけっこう楽しめると思う。 チャラン・ポ・ランタンのアコーディオン小春氏の動画「蛇腹…

M5Atom Matrixでボールころころ

M5Atom Matrixを買ってすぐの習作として作った「ボールころころするやつ」の解説をしてみる。加速度センサーの値を使って物体の加減速や跳ね返りのシミュレーションを行なう簡単なコードなので、プログラミング学び始めの人の資料にでもなればと思う。初期化…

Processingの3DCGにおけるライティングの扱い方

Processing の3Dグラフィックスにおけるライティング(光源や反射)の扱い方が自分の知ってるモデルとちょっと異なり、調査が必要になったのでメモ。デフォルメで不正確になっているところがあるかもしれないがご容赦。

「ドッグ・ファイター」(超時空要塞マクロス挿入曲)の弾き方

80年代に超時空要塞マクロスを見ていた(当時の)子供であればこの曲は覚えがあるだろう。羽田健太郎先生の「ドッグ・ファイター」である。この曲のギターのメロディーを10年ほど前に弾けるように練習したのだが、以後曲に対する理解も変化したので、この度改…

HM3301で山火事ベイエリアのPM2.5濃度を測る

現在カリフォルニアは史上最大規模と言われる山火事の最中である。うちの近所はこんな様子↓で、二週間程燃え続けてやっと70%鎮火と、だいぶ収まってきた感じではある。 https://www.fire.ca.gov/ ところがその結果大気汚染がひどいこと↓になっている。これで…

日本人が「在宅勤務は生産性ダウン」と感じる理由

こんな記事が出てきたが、まあそりゃそうだろう。 www.itmedia.co.jp 日本はハイコンテキスト文化で、仕事の設計も(デフォルトでは)それ前提になっているのだから。ハイコンテキスト・ローコンテキストの違いは下の記事でよく説明されている。 E.T.Hall – Hi…

ベイエリアのNEOWISE彗星観測情報

夕方にNEOWISE彗星が見える時期になったそうだ。彗星は2013年のPanSTARRS、2015年のLovejoy以来なのでちょっと見てみたいのだが、ここに引っ越してきてから星を見たり撮ったりすることはなかったので、何時頃暗くなるのか・そのときの彗星の高度はどのくらい…

SGP30/SCD30によるCO2濃度測定

閉じた空間のCO2濃度というのは結構簡単に上がるものらしい。現在在宅勤務100%となり、狭い部屋で仕事や電話会議をすることも増え、知らない間にCO2濃度が上がり頭の働きが悪くなるなんてこともあるかもしれない。となれば当然測ってみたくなる。 CO2濃度が…

温度センサー6種を測ってみる

昨今のIoT・データ分析ブーム()を受けて、継続的に室内環境のモニタリングをしている。BME280で温度/湿度/気圧を取るところから始め、最近は在宅勤務で知らぬ間に部屋の空気が悪化しがちなこともあり、CO2濃度や暑さ指数(WBGT)も測って見えるようにしている…

M5AtomライブラリのLED機能は使うべからず

前回のM5Stack Atomに関する記事で、LEDマトリクスにフリッカーやジッターが出る、deep sleepするとランダムに光りっぱなしになる、という問題について書いた。何のことはない、M5Atomライブラリが不必要な非同期処理をやっているせいであり、ライブラリを使…

Bose QuietComfort 35 IIをPCにAAC接続する

ワイヤレスのちゃんとしたヘッドフォンを試してみようと、Bose QuietComfort 35 II を入手してみた。Refurbished で$200前半と値段休め、返品期間90日と評価にはちょうどよい感じである。 早速普段使いのWindows PCに接続したところ、非常にがっかりな音質で…

Particle XenonのCircuitPython化

今年始めにParticleがMeshからの撤退を発表し、Mesh専用機のXenonのディスコンが決まったのだが、まあ驚きはなかった。この記事で書いた通り、最初は「おおっ」と思うが全然つながらずテンションだだ下がり、結局そのまま不安定で使い物にならなかったもんな…

M5Stack Atom Matrix

私の周囲で最近話題になっていた M5Stack Atom Matrix をポチっとしたのが到着。24mm四方の小さな筐体にESP32(WiFi, Bluetooth込み), MPU6886(加速度/ジャイロ/温度センサー), 5x5 LEDマトリクス, 前面ボタン等が詰め込まれたデバイスである。背面のラベルに…