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アメリカ英語の発音ノウハウ (4) ~ 舌の筋肉の使い方・"r"編

前回は顎の周りをがしがし動かすという筋トレ話でしたが、今回は舌の奥の筋トレです。

舌のホームポジションを下げ、顔の後ろ側の筋肉を主に使うという時点で、必然的に舌の奥の筋肉が動くようになるのを既に感じている(舌の奥に疲労を覚える)方もいるかと思います。今回はその動きをより激しく使う "r" の音、続いて Quick American Glide と呼ばれる舌の動きを通して、「いかにもアメリカ英語らしい舌の使い方」を掴みましょう。

それでは早速 "r" のやり方です。結論から言うと、下図のように舌の奥を後頭部の方向(もしくは口蓋の後ろの壁)に向かってえいやっと引き上げるのが "r" の動きです。(なおこの図は舌をどう意識的にコントロールするかを伝えるためのものであり、実際の舌のかたちを正確に表しているとは限りません。)

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図の矢印のあたりに意識を集中して動かし、舌先の方は勝手についてくるのに任せます。学校で「"r" は巻き舌で云々」と習った人もいるかと思いますが、それは完全に忘れてください。「巻く」という余計な力を加えずに、舌の奥だけを動かしてください。

例のホームポジションから始めて、声を出しながらこの動きをやれば、ear, bird, girl, player, career 等で頻出の[ər] (または[ɚ]とも表記)の音になります。

ただ、舌を低い位置において始めた方が動きや音の変化がわかりやすいので、car, heartの[αr] (または[αɚ])、coreやsoreの[ɔr] (または[ɔɚ])で練習する方がよいかもしれません。顎と舌を十分に落とした状態から、舌の奥を上後ろにじっくり十分に動かし、共鳴の変化を聞いてみてください。

これら[ɚ]系の音でこの舌の動きに慣れたら、right, rear, rank といった単独の(前に母音を伴わない) [r]に挑戦してみましょう。動き自体は同じ(はず)ですが、素早くはっきりとやらないと[r]に聞こえないと思います。オリジナルの書籍ではこの動きを "impulse" と表現していたくらいの激しい動きです。まずはゆっくりの動きで出せる[ɚ]系の音でしっかり感覚を掴んでからがよいでしょう。

これは日本人にとってはつらい動きなはずで、まさに筋トレです。マジで疲れます。つらない程度に頑張りましょう。

では次回、Quick American Glide の話に続く。