hogehoge, world.

米国カリフォルニアのソフトウェアエンジニアがIT・自転車・音楽・天体写真・語学などについて書く予定。

ESP-WROOM-02(Arduino)によるWiFiネットワーキング (12) ~ Amedesの省電力化

前回説明した降水確率予報システム "Amedes" は、一日数回しか稼働しないにも関わらず、スマフォ用バッテリーが5日程度で空になってしまうものであった。これはちょっともったいない。ESP8266と8連LEDが常時30mA近い電流を消費しながら、やっていることは人感センサーへの入力をひたすら待っているだけなのだ。

ならば「普段は電源を切っておいて、人感センサーに入力があったらONするようにできないのか?」と考えたくなるのが人情である。データシートによれば人感センサーの消費電流は12μAらしいので、これが実現できれば計算上は2500倍もの効率向上になるはずだ。というわけでやってみよう。テッテッテー テッテッテテー♪

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ESP-WROOM-02(Arduino)によるWiFiネットワーキング (11) ~ 降水確率予報 "Amedes"

前回まで紹介してきたクマーシステムと回転灯システムは、共にHTTPサーバとして動作するアプリケーションであった。今回はちょっと路線を変えて、公開のWebサービスを叩いて動作するHTTPクライアントの話をしよう。

…というわけで最新作、降水確率予報システム "Amedes" である。人が前を通ると、気象庁の天気予報データを取ってきて、今日明日の6時間毎の降水確率と、今後一週間の日々の降水確率を表示してくれる。スマフォで天気予報見れるじゃんという話もあるのだが、玄関に置いておくと家を出る際にチラ見するだけで傘が必要かわかるので地味に便利である。

youtu.be

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ESP-WROOM-02(Arduino)によるWiFiネットワーキング (9) ~ クマーシステム

前回までにESP8266アプリケーションの共通の骨格について、ハード・ソフト両面から説明してきたが、ここまで来れば各アプリケーションの説明は非常に楽である。

下記はクマーシステムのブレッドボードの見た目(第七回のものを再掲)と回路図である。既に説明した基本回路にサーボモーターを配線しただけでなんの変哲もない。

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ESP-WROOM-02(Arduino)によるWiFiネットワーキング (8) ~ HTTPサーバベースのアプリケーション

第一回で示したクマーシステムも回転灯システムも、共にESP-WROOM-02をHTTPサーバとして動かすアプリケーションである。今回はこれらのソフトウェアの骨格部分を説明しよう。ソースコードは下記のGitHubリポジトリに公開しており、FlagBearとBuildCopがそれぞれクマーシステムと回転灯システムに対応する。

GitHub - tomoto/ArduinoPlayGround

この手のアプリケーションで必要となる処理なんてどうせ同じ、ということでコードのほとんどはlibrariesの下にフレームワークとして実装してあり、アプリケーション本体である.inoのコードは最小で済むようになっている。このフレームワークにはいろいろ工夫が詰まっていて、おそらく読者の役に立つノウハウもあるので説明していこう。

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電子コンパスHMC5883Lのキャリブレーションに挑戦

HMC5883L(GY-271)という電子コンパスを借りた。これをArduino Nanoにつないで使ってみる。

Kinectやってたときも思ったが、センシングにおけるチャレンジは、ひたすらキャリブレーションとノイズ除去なんだなぁと思う。つまり、センサーから生の値を拾うのは非常に簡単なのだが、そこから意味のある値を拾い出すのが格段に難しい。機器やプログラミングの知識よりも数学の知識がものを言う。

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ESP-WROOM-02(Arduino)によるWiFiネットワーキング (7) ~ 自作アプリケーションのための基本回路

前々回ESP-WROOM-02を初期状態のまま動作させるためだけの最低限の回路を説明したが、今回はさらに自作アプリケーションを動かすための基本回路を紹介する。ただし、これはあくまで私が私のアプリケーションで使い回すための「ぼくのかんがえた最強の基本回路」であり、誰にとっても・どんな場合でもベストだとは限らない。まずはこれを入口にしてもらったとしても、最終的には自分自身の目的やスタイルに合った「最強」を編み出してもらいたいと思う。

この「最強基本回路」の見た目と回路図はこんな感じだ。これを私が「最強」と呼ぶには理由がある。ひとつは抵抗等のパーツを動く限りで最低限まで省いていること(経験者は眉を顰めるかもしれない)。もうひとつはおそらく世界唯一「最強LED」を備えていること。以下順に説明していこう。

ブレッドボード図

 

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写真

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(写真の中央周辺の黒/赤/黄/茶の配線はアプリケーション回路なので基本回路外である。また電源回路はACアダプタージャック→5V→3.3Vと二段で降圧しているので図と少し違う。あとオシロスコープのフックを引っ掛けるためジャンパー線のリングを幾つか出している。)

回路図

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